時代は電子カルテ
年々上昇する普及率

年々上昇する普及率

カルテの情報を電子データとして管理するシステムのことを電子カルテといいます。業務効率の向上やミスの削減につながるため、多くの病院で導入されています。

概要

まずは「電子カルテとは何か」についてわかりやすくまとめていきます。
電子カルテが導入される前は紙のカルテが主流でした。カルテには医師が診療経過やバイタルなどを記載したり、検査結果や画像を添付したり、看護記録や紹介状がまとめられたりしていましたが、それらの情報を電子データ化して一元的に保存したものが電子カルテです。ペーパーレスとなり編集や管理、検索がしやすくなるとして多くの病院で導入されています。
医師や看護師をはじめ検査技師や医療事務など医療に従事している人たちの多くが使用している電子カルテですが、電子保存の三原則である「真正性」「見読性」「保存性」を満たさなければなりません。三原則について、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
政府のガイドラインによると、真正性は「正当な権限を持つ人が記録した譲歩に関して、第三者から見て責任の所在が明確であり、故意に虚偽入力、書き換え、消去および混同が防止されていること」と記載されていますが、簡単にまとめると、誰からも信頼される正しい電子カルテにするための原則のことです。次に見読性ですが、見読性とは「紙カルテに記載された診療記録と同等のものであること」を証明することです。最後に保存性ですが、保存性とは「記録された情報が真正性を保ち、見読できる状態で保存されていること」です。

普及率はどうか

次に電子カルテの普及率について見ていきましょう。
2017年の普及率は一般病院が46.7%と半分にも達していませんが、それは病床数によって大きな差があるからです。病床数が400床以上の規模の大きな病院では電子カルテの普及率が85.4%ですが、200床数以下の中小規模の病院では普及率が37%とあまり浸透していません。なぜ中小規模の病院は電子カルテが普及していないのでしょうか。
考えられるのはコストの問題です。電子カルテの導入にはそれなりにコストがかかります。初期費用をはじめ、保守費用やシステムの更新費などの費用がかかります。資金面がそれほど潤沢ではない中小規模の病院が二の足を踏むのも仕方がないのかもしれません。そのため、政府はコスト面の負担を下げるために様々な対策を行っています。
そのひとつが経済産業省管轄の「IT導入補助金」です。中小企業や小規模事業者が業務を効率化したり、売り上げをアップさせたりするために必要なITツールを導入する際に経費の一部を補助するというものです。医療業界でもIT導入補助金を申請できるため、コスト面がネックで導入が進んでいない病院は一度検討してみることをおすすめします。

電子カルテをとことん使いこなすために