時代は電子カルテ
レセプトコンピュータと連携させるメリット

レセプトコンピュータと連携させるメリット

電子カルテに加えて、健康保険の支払い申請に必要な領収書を作成するためにレセプトコンピュータを導入する病院が増えています。レセプトコンピュータを導入することで業務にどのような影響があるのかを見ていきましょう。

レセプトコンピュータとは

レセプトと呼ばれる診療報酬明細書を作成するコンピュータやシステムのことです。医事会計業務を効率化するとして多くの病院で導入しています。医療費は患者が負担する分が原則3割、乳幼児や70歳以上の人は1~2割で残りの金額を会社や自治体の健康保険組合が「診療報酬」として支払う仕組みになっていますが、診療報酬の請求にはレセプトを提出しなければなりません。
以前はレセプトもカルテと同じように手書きでしたが、レセプトコンピュータの普及によってコストや手間が大幅に削減されました。

機能について

レセプトの作成をはじめ、患者の診療内容や会計の記録、処方箋の発行といった受付業務全般に関わる機能が搭載されています。また、他にも病院の経営状態の分析など維持管理のための機能もあります。レセプトコンピュータには「医科用」「歯科用」、薬局向けの「調剤用」の3種類あり、内容もそれぞれの特性に応じたものになっています。

普及状況

医事会計業務の効率化につながるとして導入されたレセプトコンピュータですが、医療保険の不正請求防止にもなるとしてほとんどの病院や薬局で使用しています。普及率で見てみると現在はほぼ100%に近くなっています。
診療報酬請求書の審査を行う「社会保険診療報酬支払基金」が行った「レセプト請求形態別の請求状況」に普及率について記載されているので確認してみましょう。これによると、2020年3月は診療報酬を請求した医療機関は約21万9,000か所、そのうち、レセプトコンピュータで作成した電子レセプトを提出していたのは95.4%、紙のレセプトを提出していたのはわずか4.6%でした。請求件数を見ると、保険請求が行われた約9,375万件のうち、電子レセプトが98.8%、紙のレセプトは1.2%でした。

電子カルテとの連携

レセプトコンピュータと電子カルテを連携させることは可能です。連携するとカルテに入力された情報が即座にレセプトコンピュータのデータに反映されます。例えば、初診の患者の場合、はじめに個人の情報を問診表などに記載していきますが、その情報を受付業務で入力したらカルテに即座に反映されるため新しくカルテを作成する手間が省けます。また、会計業務でもデータを入力する手間を減らすことができるため待ち時間が短くなり、患者の満足度アップにもつながります。
しかし、連携できるレセプトコンピュータは限られています。レセプトコンピュータを導入する場合は連携が可能かどうかを必ず確認しなければなりません。最初から電子カルテとセットになっている製品もありますので、電子カルテとレセプトコンピュータ、同時に導入する場合は両社がパッケージになっているものを選ぶとよいでしょう。
以下に製品例を紹介していますので、関心のある人は参考にしてください。

電子カルテをとことん使いこなすために